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ブックレビューに感激

『大好き、食虫植物』が世に出てから、感想をいただく機会が増えました。
どんな感想も嬉しいもので、mixi日記やブログでご紹介していただいたり
mixiレビュー、Amazonレビューで感想を書いて下さったり
「本を買いました。面白かったですよ」とメールをいただくこともあり
身に余る光栄です。
アンケート葉書も生まれてはじめて貰いましたが、一生の宝物です。

色々感想をいただき、どれもタメになるものでした。


中でも、yamamoxさんが
「東京ベランダ植物図鑑」
で、書いて下さったレビューが
なんというか、私が一番苦労した部分を的確に掴んで下さっていて
嬉しかったので、引用させていただきます。

★★★★★

2005年に食虫植物に魅せられた、29歳の女性の著者の、食虫植物入門書。
帯の推薦文は獣神サンダーライガー(実は食虫植物愛好家らしい)。
あまりにも感動的な本だった。
同時期から多肉とチランジアを育て始めた身として共感し、
植物関係の出版物を担当している身としてくやしさと羨望。

この本の何に感動したかうまく伝えられるだろうか。

まずこの本を貫いているのはゴシック精神だ。
というと誤解を招きそうだが、ここでいうゴシック精神とは高原英理(『ゴシックハート』、『ゴシックスピリット』の著者)らのさすそれである。といってもあれなので、僕の浅い理解で要約すれば、長く非理性的、宗教的、神的なる中世があり、人間礼賛、ギリシア回帰のルネサンスがあり、より理性志向の強まるバロックがあり、その延長線上に近代(人間万能、理性万能、未来明るい)があり、そのアンチとしての、反理性的、反楽観主義的志向性としてのゴシックがある。というゴシック精神だ。

彼女の文章を引用する。

食虫植物は美しいとここで断言します。
(中略)
植物は本来、植物連鎖のピラミッドの下方にあり、食い物にされることを運命づけられています。それに対し、食虫植物は長い進化の過程で食虫能力を身につけました。つまり、この世の不条理に反逆しているのです。
(中略)
私は食虫植物に反逆のスピリットを感じてなりません。そして己の逆境を切り開くその強さ、気高さに惹かれずにはいられません。
食い物にされるのは植物ばかりではありません。人間でも同じことです。
「負けるな、自分であるために、戦え。自分の力で運命を切り開くんだ」
腐っていた私に食虫植物がそう語りかけてくれたように思います。

人間関係や仕事で腐っていた(いかにも近代的な悩み)彼女は、食虫植物と出会うことで、その状況を超えたのだ。


もう一箇所引用

ウツボカズラの話

ウツボカズラを目にするのは、それが初めてでしたが、何より目についたのはが奇怪な壷です。葉の先からぶらさがるひょうたんのような壷には、蛇の鱗のようなまだら模様がペインティングされていて、毒々しく、形はそそり立つイチモツのようで、たちまちその御姿の魅力にハマってしまったのです。

こんな言葉の綴られる園芸入門書が過去にあっただろうか。
いとうせいこうの『ボタニカルライフ』以来の衝撃である。

フーコーをひくまでもなく、近代は性を隠蔽し、そのことで性を特権化してきた。
性を語ることはタブーであり、性を想起させるような造形物は、嫌悪の対象となってきた。
しかしほんとに性や性器は汚らしく忌むべきものなのか。
なぜ男の子はあれほどまでに女性器に執着するか。

彼女はハエトリグサの英名「Venus Flytrap」にも言及し、Venus(ビーナス)が女性器の隠喩であることにもさらりと言及する。(パフィオペディラム=女神のスリッパも同様であることを知って欲しい、そしてなぜランの中でパフィオが最もマニアを生み出すかも)

いうまでもなく、花は生殖器である。
いうまでもなく自生地と違う環境に無理やり連れてきて育てる園芸という文化は非エコである。そもそも文化は非エコである。

園芸とはつきつめれば、そういった暗い情念の生み出したものであり、だからこそ近代に(その権化であるヨーロッパの貴族によって)発展してきたのだ。

彼女がそのことに意識的だったとは思えないが、それでも彼女は、この本によって、軽やかに近代を超克し、園芸のコアな部分、ハードコアを解き明かしてくれているのだ。

ハーコー(ハードコア)園芸への招待。

共感のメディアたるブログでこのような文章を綴るのは間違っているかもしれないが、
(せっかく僕の文を柔らかい、優しいといってくれる訪問者もいるのに)
それでも伝えたい、語りたいと思えるほどの素晴らしい本だった。

(http://yamamox.exblog.jp/
『東京ベランダ植物図鑑』より引用)



★★★★

私が本を書くにあたって、一つの方向性を見いだしたものは
まさに、いとうせいこうさんの本でした。
文学畑の人間が書く、園芸書というものに、近いベクトルを感じました。
もちろん、自分といとうせいこうさんを比肩するのはおこがましいことではありますが。
『自己流園芸ベランダ派』の最終回で、植物を通じて哲学を語る
姿勢に大いに共感を感じたのです。

あとは、引用されている、ウツボカズラの描写の「イチモツ」ですが
実は、これは、夫に下読みして貰った時点で、眉をひそめられ
「下品だから、削った方がいい」
と言われた箇所でした。

これを書くまでに、自分の文章が面白くなくて、しばらく悩んでいました。
ハエトリソウの解説を書いても、いかんせん図鑑的で、言葉が借り物っぽく
死んでいたのが、気に入らなかったのです。
なんとか打破したいと思って、書いたのが
まさに、
『ウツボカズラを目にするのは、それが初めてでしたが、何より目についたのはが奇怪な壷です。葉の先からぶらさがるひょうたんのような壷には、蛇の鱗のようなまだら模様がペインティングされていて、毒々しく、形はそそり立つイチモツのようで、たちまちその御姿の魅力にハマってしまったのです。』
の箇所でした。

これを書いて、吹っ切れました。
自分が貫く姿勢はこれだと思ったものです。

ここをなくせば、自分の色はなくなるだろうと思います。
だから夫には
「これはゼッタイに削れない」
と抗弁しました。
(今思えば、下読みしてくれてる夫の立場は一体・・・。夫よごめん)

その後も、ここは賛否両論で、
「あ~、旦那の言うこと聞いておけば良かったのかな。私ってホントバカだなぁ」
と思いましたが、やはり書いて良かったです。

花が生殖器であるとは常々思っていることですが
秘すれば花なのか、声高に言うと顰蹙ものですね。
猥褻というものは、隠したり、遠ざけたり、禁じたりした方が、よりエロティシズムを感じて良いのでしょうが、私は別の角度からも興味があります。

つまりは「道徳」によって、生物的なものの美や本質など、本来の良さが殺されてしまう(目を逸らしてしまう)のは、勿体ないことだとも思います・・・。
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comment

Secret

すみません

ごめんなさい。上記コメント、なぜかぐる猫さんの名前で投稿してしまいました。そういうときに限って削除パスワード設定してなくて自分で消せません。お手数ですが削除してください。

>「道徳」によって、生物的なものの美や本質など、本来の良さが殺されてしまう(目を逸らしてしまう)のは、勿体ないことだとも思います・・・。

同感です。

全文引用なんてうれしすぎて鼻血でます。
しかもこうやって自分のブログ離れ、さらに多くの人に読まれると思うと、しったかぶりのバロックのくだりや、フーコーとかいってるあたり、必要ないのに自己顕示って感じで、クソ恥ずかしいです。

やっぱりあれだけ類のない本をつくるには、いろいろ葛藤や悩みあったんですね。

自分の推薦文はちょー拙いですが、ぐる猫さんの本がより多くの人に読まれ、逆境に自分の運命を切り開こうと戦っているマイノリティの力になるためなら、誰にでもどこにでも引用してほしいです。

これからもよろしくです。

>yamamoxさん
コメントのお名前だけ変えさせていただきました。


yamamoxさんの推薦文ですが
ブログとmixi日記で書かせていただきました。
ご謙遜されているのだとは思いますが、拙いなんて、ちっとも思いません。
とても力強く、かつ流麗で、素敵な文章だなと見とれてしまいました。
自分の本を分析していただき、なおかつ私の思いの届かないところまで解剖していただき
身に余る光栄です。
いただいた言葉はすべて、私の宝物です。
これからの創作の糧にします。
本当に有難うございました。

ぐる猫さん、はじめまして。yamamoxさんのブログで紹介されていたのを見て、そのままアマゾンで購入させていただきました。いやいや、最高です。面白かったです。実用書×エッセイみたいなスタイルが良いですね。心地よい刺激をいただきました。それに植物と出合った頃の新鮮な気持ち(初恋?)も思い出させていただきました。ありがとうございます。
じつは私は植物のプロであるうちは、何かの植物にのめり込まないようにすると決めているのです。(無意味なこだわりかもしれません・・・。) それだけに盆栽や蘭などには目を向けないようにしていたのです。食虫植物もその類でしたが、とうとうサラセニアを買う決心をしました。背中を押してくださってありがとうございます。(笑) 

>パパさん
はじめまして、こんにちは。
拙著を手にとって下さって、有難うございます。
また、感想もいただき、光栄です。
yamamoxさんのおかげですね。yamamoxさん、有難うございます。
植物を好きになる瞬間って運命の人との出会いみたいですね。本当に(笑)

サラセニアは無加温で平気な上に丈夫で、オススメです。
少しでもお役に立てたのでしたら、とっても嬉しいです。
プロフィール

星野 映里(HN ぐる猫)

Author:星野 映里(HN ぐる猫)
2008年4月に食虫植物の本を上梓しました。
『大好き、食虫植物。~育て方・楽しみ方~』

(出版社:水曜社 )
表紙
初心者による初心者のための栽培読本です。
食虫植物をはじめて育てるという方にぜひ
読んでいただきたいと思って、書きました。

詳細はこちら


※ガーデニング雑誌『花ぐらし』(家の光協会)で、2009年3月16日発売・春号から、連載「マジカル・プランツに恋して」がはじまりました。ぜひご覧下さい。



お仕事・取材を、随時受け付けております。お問い合わせは
e_hoshino@mac.comにお願いします。

mixiやっています。




【略歴】
1978年8月生まれ。東京都出身。高校在学中に文芸ミニコミ誌を創刊。作家を志し、早稲田大学第二文学部に入学。中退後、人生も迷走。2005年に食虫植物との劇的な出会いを果たす。同年、JCPS(日本食虫植物愛好会)の存在も知り、会員になる。2006年~横浜ガーデンセンター・サカタのタネ、池袋サンシャイン世界の蘭展with食虫植物、川崎市幸区民祭り、piga画廊食虫植物展にて栽培 解説員を務める。
2007年 タモリ倶楽部に「食虫植物マニア」として出演。
2008年 『大好き、食虫植物。~育て方・楽しみ方~』上梓。
     朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞、中日新聞、週刊ファミ通、月刊アクアライフで書評掲載。
     産経新聞に食虫植物記事とともに、本が紹介される。
     「FM NACK 5」のNACK AFTER 5に出演。
     関西テレビ「ナンボDEなんぼ」に出演。
     J-WAVE GOOD MORNING TOKYOで紹介される。
    実話ナックルズで食虫植物グルメの記事執筆。
    北海道新聞で本とグッズが紹介される。
 2009年 園芸季刊誌『花ぐらし』(家の光協会)にて、「マジカル・プランツに恋して」連載スタート
    TSUTAYAフリーペーパー「VA」の「今チューモクの人々」に出演。
   
2010年  東京新聞「サブカル入門」にて取り上げられる。
    『PCfan』5月発売号にて、取り上げられる。
    excite、mixiニュースで取り上げられる
    JFM「デイリーフライヤー」に出演
    朝日放送「おはよう朝日です」に出演
    阿佐ヶ谷ロフト北芝健presents 「北芝健の他では絶対に聞けない話!」に出演
    読売関西テレビ「大阪ほんわかテレビ」に出演。
    ブックサロンオメガにて、「Salon de noir」~P.4「奇食の宴~虫食への視線~」イベントに出演。
    テレビ朝日「ナニコレ珍百景」(9月29日放送)に出演。



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